未来につながる理想の英語教育

やる気とモチベーションへのアプローチ

何か新しいものを習慣にするというのは一定レベルのやる気とモチベーションが必要です。 生徒達のやる気とモチベーションを上げそして保つためには、英語の技術よりも精神的なところに目を向ける必要があるのではと思います。   習い事で生徒のモチベーションを上げるのによく使われるのがごほうびシールです。私が担当しているAcademia Junior の低学年の授業では、音読カレンダーをチェックし毎日読んできたらシールをあげています。カレンダーが音読したマークで埋まっていくのを見るのはなかなか気持ちがいいもので、新年度が始まった4月から毎日読んでいる生徒はもう少しで音読連続練習100日を達成するのです。シールを集めることよりも達成感を味わってもらえればという思いで、更に大げさなくらいに褒めてあげると「もっと難しいのを読みたい!」と良い反応が返ってきます。   しかしこのシールで上がるモチベーションというのは長くは続かず、3年生にもなると、シールなんかいらないと言い出す生徒がでてきます。そうなると、鋭い生徒は何のために英語を習っているのか疑問に思い始めるのです。小学校高学年の生徒たちには2年前に使った教科書を見せて「2年前はこれをやっていたんだよ」というと、「こんなに簡単なのを読んでいたの?」と顔をキラキラさせる生徒もいれば、得意げな顔をする生徒もいます。どれだけ自分たちが成長しているのかというのを示してあげるのは効果的です。   中学生・高校生は学校の試験や民間の試験が視野に入ってくるため、目標設定がしやすく、モチベーションを保つのも自分たちでコントロールができるようになってきます。中高生で気をつけなければいけないのはここに通っていれば大丈夫だろうという過信です。やはり毎日の音読は毎回の授業で声をかけなければいけませんし、まだまだ足りない!と声を掛けます。中高生のやる気を出すのはなかなか難しいのですが、そういう時は私が高校生の時の英語の先生の言葉が思い出されます。   高校3年の時の選択授業で英語速読の授業がありました。その先生は小柄であるにもかかわらず、あたかも片手に竹刀を握っているイメージ(実際には持ってはいませんでしたが)の威圧感がありました。そんな先生の授業は他の先生の授業とは違い説得力があり、50分の授業時間は息も継げない、一種のトレーニングのようでした。どのような文だったか忘れましたが、ある日の授業で和訳をするよう指示され、やたらと長く、しばらく考えましたが、自信がなく黙っていたら、「お前ならできると思うけどな」と声を掛けてくれました。その一言で英語に対して自信がつき、あの言葉は今でも落ち込んだときのモチベーションとなっています。 学年によってモチベーションを上げやる気を継続させる方法は、まだまだ探究が必要だと感じています。